事業紹介
飲料水用ロープポンプの普及による地方給水衛生・生活改善プロジェクト
- エチオピア
- 水資源・防災
- プロジェクト期間:
- 2013年3月-2017年1月
エチオピアでは、サブサハラアフリカの中でも給水普及率が低く、給水施設の拡大普及は急務とされています。エチオピア政府は、水と衛生分野の上位計画(One WASH 国家計画、2013年)で、「セルフサプライ」による給水施設の拡大を重要な給水普及拡大の手段として位置付けました。セルフサプライとは、住民が自ら資金を一部または全額負担して給水改善を行うことで、ロープポンプは、セルフサプライの中心的技術として期待されています。日本は2004年頃からロープポンプ技術の改善と普及に取り組んできましたが、ロープポンプの品質や一部のパーツの入手困難、需要創出、貧困層への小規模金融など経済的支援、地表の汚染源からの影響を受けやすい浅井戸への水質汚染防止策などが普及を妨げる要因であると指摘されました。
本プロジェクトでは、これらの課題を克服するために多角的な支援を行いました。ロープポンプの製造・設置技術の改善と標準化の支援を行い、2016年にはエチオピア企画庁によって国の技術標準にロープポンプの最小仕様が加えられました。また、市場に出回るロープポンプの品質確保のため、ロープポンプ製造・設置の技術マニュアルの作成、技術者の育成と技能検定による技能認定の導入を支援しました。更に、村落地域でのロープポンプ普及活動を農業、衛生、小規模金融、給水の関係者と共に取り組み、各種普及ツールの作成や実践拡大に寄与しました。
プロジェクトチームは、国際機関やNGOと共に、エチオピア国内のセルフサプライ普及の活動にも積極的に参加し、セルフサプライグループのけん引役としても貢献しました。