事業紹介

環境と経済が調和した村落開発推進計画(エコビレッジ推進計画)(開発計画調査型技術協力)

  • セネガル
  • 農業開発/農村開発
プロジェクト期間:
2012年10月-2016年8月

セネガル国は独立以来、高い政治的・社会的安定を保ち続けた結果、石油価格高騰や世界的な金融危機の影響を受けながらも成長を続けています。しかし、貧困率は2009年までは緩やかに減少したものの、依然として50%を超える高い水準にあります。

順調な経済成長の一方で、都市部と村落部の貧困格差が拡大しています。この背景には、全人口(統計人口局2010年:約1,250万)の6割を占める農村地域の住民は気候等の自然環境の影響を受けやすい一次産業に依存しているため、住民の生活や収入は不安定であり、森林や水などの限られた自然資源の持続的管理にも配慮が行き届いていない状況にあります。その結果、自然資源の減少や土壌の劣化などの進行が農牧水産業における生産性の低下を招き、更なる貧困化をもたらしています。このような将来の展望が持てない状況は、若者の多くを出稼ぎ労働者として都市部に流出させると同時に農村部には労働力の減少に伴う更なる生産性の低下を招き、都市部における貧困層の増加と農村部における過疎化の進行という社会問題を顕在化させています。

セネガル国は持続的地域開発、特に農村人口の持続的人間開発という課題に対処するため、社会的発展、不平等への対策、環境と自然資源の保護、地域潜在力の活用、を包括する新たな経済開発モデルとして「エコビレッジ」構想を打ち立てました。この構想を達成するための国家計画として、2010年7月「国家エコビレッジ計画 」が策定されました。