事業紹介

劣化土壌地域における土地劣化抑制・有効利用促進のための能力強化プロジェクト (CODEVAL)

  • セネガル
  • 自然環境保全
プロジェクト期間:
2011年3月-2017年3月

セネガルのファティック州とカオラック州では塩害や酸性硫酸塩土壌の拡大、耕作地や林地の減少、収量の減少などが大きな問題となっています。プロジェクトではこの2州の環境・自然保護省の職員に対する土地劣化抑制・有効利用促進や技術普及のために必要な能力の向上を支援しました。

プロジェクトの1年次には、改良・開発すべき技術を抽出するとともに、衛星画像解析等により土地劣化分布図を作成して、プロジェクト対象の優先地域(20コミューン)とパイロットサイト(20 か村)を選定しました。2年次からはパイロットサイトにおいて、土地の水食・風食対策として、枠堰・石列設置といった土木的手法とともに、等高線上の穀物栽培、混植による土壌被覆、列状休閑地(自然植生)と栽培地を組合せた改良休閑帯の設置という農学的手法も検証しました。土壌肥沃度の向上のためには、堆肥製造や有機物投入による耕種法改善、人糞を利用したエコサントイレの設置と活用を行いました。また、植林/アグロフォレストリー、野菜栽培等の収入創出活動を実施し、これら活動の他の優先地域への普及にも取り組みました。4年次以降は、土壌劣化抑制活動の技術マニュアルと技術カタログ、啓発用ツールを作成しました。技術普及に関しては、村レベルの教育ネットワークを活用した「学校・地域/緑のアクション(AVLOS)」アプローチを採用して、対象地域全体への技術情報の伝播を図りました。また、作成したツールを森林官の能力向上に活用するために、ティエス州の森林研修センターと連携して研修事業の教材として改良し研修を行いました。さらに20コミュンに劣化土壌対策事業費を支給して劣化土壌対策技術を試行し、各コミュンの計画策定・事業実施能力を図りました。

有効技術の検証や関係機関との連携に取り組んだ結果、中央・地方の行政官や地域住民の能力向上と意識の向上に貢献することができました。