事業紹介

小規模園芸農家能力強化プロジェクト

  • セネガル
  • 農業開発/農村開発
プロジェクト期間:
2017年1月-2022年1月

セネガルでは、農業は主要産業であり、貧困削減、雇用確保と経済の活性化の面からも最重要セクターです。近年、主要作物である落花生や綿花などが国際競争力の低下で低迷し、コメも国内消費分を輸入に依存する一方で、園芸作物については生産額が伸び、輸出も増加傾向にあり著しく成長しています。園芸分野の国内市場も拡大傾向で、これまでは大規模農家に利益が集中していたものが、小規模農家にも収入増加の可能性が高まっています。

この協力では、比較的冷涼で農業生産条件が良好なニャイ地区において、小規模園芸農家の市場対応力を向上させる市場志向型農業アプローチを実践しました。これにより対象園芸農家の収益向上を図り、同地域全体の小規模農家の収益増に寄与しました。

プロジェクトでSHEPを導入した農家数は、1700農家を超え、それら生産者の「96%が収益を向上させるために情報収集を行い、54%のターゲット生産者グループで、SHEP導入後に収益が20%以上向上する」という成果を確認できました。また、SHEP関連の各種ツールも策定後、農業省を通じて関係者に配布し、将来の農業普及人材にSHEPを普及するため、ダカールにある園芸職業訓練センター(CFPH)で特別講義を行い、学校の正式なカリキュラム化に向けた取り組みも開始しました。

一方、SHEPの採用を始めたドナー、NGOは14機関に上り、ニャイ地区外へのSHEPの普及に関しても大きな実績を残しています。プロジェクト終盤には、SHEP導入で得た収入の一部を食事の改善に支出している事例が確認されたことから、適正な栄養改善に農家の資金が支出されるよう栄養改善活動を女子栄養大学、(株)カゴメの協力も得て活動を開始しました(最終的には論文として栄養学会に発表)。